2013年12月30日月曜日

After Massive Blackout 〜The Best Christmas Lights in Toronto〜

こんばんは! オーナーのAkiraです。

今回は前回の続きとなる、24日のColdな様子からどうぞ♪




 Christmas Eveだというのに、わが宿であるSecret Base内に女性の姿はひとりとして見当たらなかった。だからといって、女性の宿泊者がいないわけではない。Living roomの窓辺に立てかけられたBlack Boardには、間違いなく5人の女性の名が記されている。

 彼女たちは去っていったのである。日を追うごとにひとり、またひとりと。そう、まるでAgatha Christieの名著、『そして誰もいなくなった』になぞらえた事件でも起きているかのように。

 人がいなくなったのは何も宿内だけのことではない。辺り一帯、まったく人の気配が消えてしまっていた。灰白色に淀んだ空からは、大粒の雪が間断なく降り続けている。抜け殻となった暗い家々を背景に、しんしんと降り積もってゆく雪片を眺めていると、『Silent Hill』の世界にでも迷い込んだかのような錯覚をおぼえる。







太陽の光を反射して
美しく輝く凍りついた木々















薄膜のように見えるのは
枝を守るように覆っている氷








 同日、午後5時40分ごろ。日もとっぷりと暮れてしまい、2度目の充電のために外へ出ようとした時だった。唐突にLiving roomが明るくなり、加湿器の稼動音が唸りはじめたのだ。この時のわたしたちが、3日ものあいだずっと待ち望んでいた瞬間の到来である。


およそ64時間に及ぶ停電が終結した


 Torontoの各地で35万人が電気もガスも、当然Internetも使えずに数十時間を過ごした。Ice Stormによる被害はTorontoだけにとどまらず、Ontario州の全土に及んだようである。凍った木々の枝が風に煽られて折れ、それが電線を切断したり道路を塞いだりし、多くの人々の生活に影響を及ぼした。





 全力で復旧作業にあたっていた電力会社のHydroではあるが、わたしにはどうしても腑に落ちない点がひとつだけある。TorontoのEast sideやNorth sideのFinchといったDowntownからわりと離れているAreaの方が、わたしたちの住むEglinton Westよりも先に復旧していったのはなぜなのか。あくまでこれは憶測の域をでないが、何か政治的な絡みでもあるのではないだろうか。


 25日、Christmas当日。宿泊者のほとんどが各々それぞれのPartyへと向かうなか、わたしはChristmas Lightsを見に行くことにした。決して自慢でもひがみでもないが、わたしには一緒にChristmasを過ごしてくれるような特定の女性はいない。








近所のLights
















同じく近所のLights










氷柱という自然の装飾がされたLights


 近所から離れ、Best Christmas Lightsと呼び声の高いものを見に行くことにした。Keele StationからBusに乗ること約30分。下車した場所から、さらに歩くこと約5分で目的地に到着。







派手ではないが
どこか趣があるLights















つい明るさに目を奪われLights










A tree wears lights


 Ghettoな雰囲気を醸しているEglinton Westの居住区とは違い、煌びやかなChristmas Lightsが施された高級感のある住宅街を歩く。目についたLightsを片っ端からCameraにおさめていると、Curveを大きく回り込んだところの前方に、山のような光の塊が現れた。












































Donate to SickKids


 音楽が流れ、Santa Clausの人形が動き話し、色とりどりの無数のあかりが輝く。 病気の子供たちへの寄付を募るためのLights。一般人の夫婦が個人的に行っているようだ。家の前に立てられた掲示板の写真には、何かで表彰されたらしい夫婦の姿がある。

 豪華なLightsもさることながら、わたしは夫婦の写っている写真のすぐ近くにあった、別の1枚に目を奪われた。そこには、Lightsの前で夜空を抱え込もうとするかのように両腕を突き上げ、夢みるような表情で天を仰ぐ幼い男児の姿があった。わたしはその顔を、目の前のLightsよりも眩しいもののように感じた。

2013年12月29日日曜日

Blackout before Christmas 〜The Blind Pot Party in the Dark〜

こんばんは! オーナーのAkiraです。

Christmasが終わるやいなや正月飾りの準備に追われる日本と違い、Torontoの街はChristmasの装いを残したまま緩やかに年の瀬を迎えようとしています。

今回はおよそ1週間ほど前に起きた、「Ice Storm」による停電の様子からどうぞ♪


Ice Stormですべてが凍りついた街


 数え切れないほどの偶然と必然とが幾重にも重なり合い、わたしたちの生きる日常というものは綴られてゆく。その日常が崩されるのはいつも突然である。

 12月21日、午前2時ごろ。「Christmasは何をしようか」と、そんな他愛もないことを考えながらLaptopに向かっている時だった。外で火花が激しくはぜるような音がしたかと思ったその刹那、Living roomの加湿器の稼動音が止まった。宿内だけでなく、外の静寂も濃密な気配を帯びる。

 これが、自然がもたらした脅威とわたしたちとの、長く厳しい戦いの幕開けの合図だったことを、この時はまだ誰も知るよしもない。




 寒さで目が覚めると同時に、まだ電力が戻っていないことを知る。停電でCentral Heating Systemが機能していないため、部屋の空気は外気と変わらないくらいに冷えきっていた。電気が来ていないのでは、目覚めに飲むCoffeeも淹れられない。諦めてLiving roomへと向かう。

 大窓から外を眺めてみると、見たこともない光景が広がっていた。








氷漬けとなった樹木















電線に連なる氷柱










まるで氷の精霊たちが通り過ぎていったかのよう


 雪が積もった木々の姿だけでも十分に寒々しいというのに、すべてが氷で覆われている景色など誰に想像しえようか。「氷の世界」など響きがRomanticなだけで、現実世界でのそれは「冷凍庫の中」と大差ない。


電気が無いと人は無力に近しい状態に陥る


 翌22日、午後8時ごろ。わたしと宿泊者のKeita氏は、しばらく電力の復旧はないだろうというまことしやかな情報に従い、Laptopや携帯電話の充電をするべく空港へと向かうことにした。空港であればWi-Fiが飛んでいるのでInternetをしながら確実に電源が取れるし、24時間だれでも無料で利用可能であるからだ。

 
 雪山でのSurvival Foodにぜひ鍋を!


 停電から40時間以上経った、23日の午後8時ごろ。蝋燭の灯をたよりに鍋を行う。Portable Gas Stoveがこんなところで役に立とうとは、備えあれば憂いなしで言い得て妙。


身体の内側が温かいうちに就寝することに

2013年12月13日金曜日

Christmas Market at Distillery District 〜From Market to Nabe Party〜

こんばんは! オーナーのAkiraです。

本日は前回の後編となる、「Christmas Market」の様子からどうぞ♪




 我々は一体、「T&T」の中でどれほどの時間を費やしたのだろう。まだ午後5時まえだというのに、すでに空には夜の帳が下りはじめていた。Christmas MarketのIlluminationsを楽しむのには好い頃合いだ。





 あかりを求めて集まる真夏の虫たちのように、あるいは出口を探して右往左往するCageの中のモルモットのように、好き勝手にうごめく人々の群れ。しかしながらその不規則な動きはまるで、見ることの叶わない忌まわしい巨大な装置によって、思いのままに操られているかのようでもある。









 ひしめく人々の間隙を縫い、
無数の灯りが煌めく敷地の奥へ








 電飾を施された樅の木の周りには、厚手の外套に身を包んだ冬の巡礼者たちが集い、写真を撮り合ったり楽器の生演奏に耳を傾けたりしていた。


造られた美しさを放つChristmas Tree









夢と現が錯綜しはじめる









 横殴りに吹きつける氷点下10度を下回る冷たい風が、時間の経過とともに容赦なく我々の体温を奪っていく。そんな極限状態の中わりと早い段階で心の折れた我々は、敷地内を軽く一巡りして早々に撤退することにした。










Christmas colour version












 冷えきった心と身体を温めるのに、鍋ほど魅力的な料理もないだろう。土鍋、肉、野菜、水。これだけ揃えば後は火にかけるだけで水炊きにできる。豆腐やキノコ類があればなおよし。我々が「T&T」で購入した鍋用の食材は豚肉と豆腐のみ。残りはそれぞれ個人の食材を持ち寄って使うことにした。


豪華な感じになった鍋
これに肉をのせる


整えられたTable set



肉がのった



Ayumiものる


肉の奪い合いがはじまる


 鍋の具材の減りと反比例して、外気で冷えた我々の身体は少しずつ温もりを取り戻していった。ひと通りの具材を消費したところで、締めともいえるうどんを投入する。



脳みそのようなうどん


まさに「たいらげる」とはこのこと


 Torontoの冷え込みはまだ中盤。体感温度が氷点下20度となる日はそう遠くない。

2013年12月10日火曜日

Christmas Market at Distillery District 〜T&T Supermarket〜

こんばんは! オーナーのAkiraです。

そこかしこでSanta Clausの姿を見かける機会も増えた、12月初旬の今日この頃。みなさんはChristmasに向けてTreeを買ったり、飾りつけのChristmas ornamentsなどの準備をしていますか? 



今回はDistillery Districtで開催中の「Christmas Market」に潜入するとともに、Union stationよりも南に位置するSupermarket「T&T」の内部を探ってみました! まずは「T&T」の様子からどうぞ♪


 肌に突き刺さりそうな、凍てつくビル風が吹きすさぶTorontoの金融街。湖を渡ってきた風は氷点下の衣をまとい、Downtownの路上を行きかう人々の襟元を締め上げ、それぞれの家路を急がせる。偽善者だけが立ち止まり、変わらず小銭をせびり続けるBeggarに施しを与え、せこい自己満足を買いたし続ける。

 そんな街角のとある交差点からBusに乗ること約10分。我々は中華系大型Supermarket、「T&T」の前に立っていた。寒さに耐えられないだけでなく、湧き上がる高揚感も手伝って堪らず中へと駆け込む女子たち。








あろうことか、そこには
日本のデパ地下のような総菜が!















吊るされているのは高級食材の
北京Duckだろうか?










Qualityはどうあれ、「実物の」お菓子の家


もはやSupermarketの領域を超えているCakeの種類の豊富さ








これほど大量の「ちまき」を扱う店は
日本でもそうそう無い








 事前にしっかりとした調査もせず、少しばかり軽はずみな行動に出てしまったのではないか。そんな疑念がわたしの頭によぎりはじめた。奥へと足を踏み入れていくほどに、そのSupermarketは我々が認識している一般的なSupermarketの定義や常識といったものを次々と覆し、いまやSupermarketならぬSupermarketを超えた「もっと別の何か」の様相を呈しはじめたのだった。言うなればそれは――


Ultramarket

 
 かつてわたしがTurkeyを旅した時、立ち寄った小さな町で見かけたみすぼらしい商店「Ultramarket」。その完全に名前負けしたTurkeyの商店とは違い、この「T&T」は十二分にその称号に値すると思われる。わたしはこの後、鮮魚売り場で驚愕すると同時に、Ultramarketの実力というものをまざまざと見せつけられることになる。








1ポンド(約454g)およそ$8の蟹










 いや、蟹ではない。わたしが言いたいのはその上、蟹がギッシリと詰まった水槽の上を見てほしい。


こんな巨大なミル貝を買う需要が
どこの一般家庭にあるというのだ?


 おのおの買い物を済ませた我々は、いよいよChristmas Marketの現場へと乗り込むべく、吹き荒れる風を受けながらバス停へと向かったのだった。

2013年11月25日月曜日

Okonomiyaki n Takoyaki Party!

こんばんは! オーナーのAkiraです。

体感温度ではなく「気温」が−12℃などという、考えたくもない数値にまで冷え込むToronto。一昨日は雪らしい雪も降り、本格的な冬のはじまりを感じさせられました。





冬がはじまった――それはつまり、商店街によくある小汚い中華料理店で、夏場に突然ではあるけれども極めて自然な流れで冷やし中華がはじまるがごとく、お好み焼きを鉄板の上で焼き、焦がし、ともに笑い、時には失敗して落ち込み、「失敗、それも一興」と互いに肩を叩き、励ましあっては絆を深めあう季節がSBにもやってきたことを意味する(もちろん、冗談です)。




今回は現宿泊者の友人のCanadianを招いてのParty。英語を「話す」という行為に慣れていない日本人たちのあいだに、わずかではあるが緊張のようなものがはしる。


午後8時を過ぎ、Partyの招待客たちがぽつりぽつりと集まりはじめた。




























いや、非難するのは待ってほしい。ここまで見て、「前々回のBlogの内容とほぼ同じじゃないか!」と思った方も多いはずだ。だが違う。よく見てほしい。


































お気づきだろう。メンツが違うのである。さらに、鉄板でのお好み焼きだけに留まらず、2台所有しているたこ焼き機まで総動員し、粉ものを焼いて焼きまくって焼き尽くしにかかるという豪華さ加減。







































Partyが落ち着いたのは、地下鉄の終電が近い午前1時。集まってくれた招待客たち、現宿泊者たちの顔には、それぞれ満ち足りた笑みが浮かんでいた。

Thank you for coming everyone! See you soon, guys!!